CONCEPT

法律や条例

建築は人の生活に大きく関わり、場合によっては生命にも関わる物である以上、当然、日本の法律や自治体毎の条例によって様々な規制があります。法律には、建築基準法を中心に都市計画法や消防法などは全ての建物に関わり、それ以外にバリアフリー法や景観法など、さらには建物の用途ごとにそれぞれの法律が整備されています。その他、都道府県条例や市の条例等、さまざまな約束事を守りながら建築は建てられています。建築関係の法規は基本的に「こうあるべき」という体裁をしてはいるものの、最低限守らなければいけない基準や建物を建設する事によって発生する権利関係の調整を考えるとどうしても具体的には「ここまでは遵守しなさい」という線引きをせざるを得ず、そういう意味では、性悪説に立たざるを得ないのかもしれません。また、一方で建築基準法が昭和25年、その前身である市街地建築物法は大正にさかのぼり、その時代から延々と継ぎ足しをしながら対応してきたため、どうしても現在の状況に対応しきれない部分も多くあります。とはいえ、守らなければならないこれらの法規、代表となる建築基準法を大きく分けると集団規定と単体規定という2つに分けることができます。前者は周囲への影響や都市との関係に関する規定、後者はその建築物自体についての規定といえます。住宅に関して言うと集団規定には斜線制限や日影規制などの高さ制限や、建蔽率/容積率など面積の制限。単体規定は採光/通風や防火性、構造などを含みます。これら様々な規定を遵守する事は場合によっては建主や建築家の希望と相反することもありますが、そこは上手に折り合いをつけながらより良い建物をつくっていこうとしています。