用途 | 共同住宅 |
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所在地 | 東京都渋谷区 |
工事種別 | リノベーション |
業務範囲 | 設計監理 |
床面積 | 62㎡/19坪 |
施工 | K&K建築工芸 |
家具 | STANDARD TRADE |
代々木八幡のほど近く、低層共同住宅の一室を解体工事と同時進行で設計し、改修工事を行いました。
クライアントには既存の間取りにこだわらず明確に使い方の優先順位があったため、その要望をまとめながら比較的すんなりと平面計画はまとまりました。しかしながら水回りなど間取りの大部分を既存の位置から移動したため、設備配管などの課題は残しつつ設計を進めていきました。一方で内装に関しては「解体して出てきた躯体そのままが良い」という要望もあり、前述の設備配管などと合わせて設計の中で「あらわす」ものと「隠す」ものについて一つ一つ検討しながら設計をしていきました。
結果、新設する間仕切りについては本来は下地材であるフレキシブルボード貼とし、建具類も木目を残すグレー塗装とすることで、荒々しい躯体や配管に負けないよう素材を組み合わせていきました。しかし、それだけでは全体に下地ばかりの内装になってしまうため、中央に配置した寝室の周囲は全て木目を活かしたSTANDARD TRADEさんの家具や間仕切とすることで、適度に緊張感のある空間にできたと考えています。
そのほか、浴室も共同住宅ながら現場施工とすることで洗面と一体的な空間として扱うほか、リビングと廊下に段差を設けることで配管スペースを確保しつつ、性格の違う空間を床の仕上げと共に区分ける役割を持たせるなど、設備と意匠のバランスに気を使いながらの計画となっていきました。このことで、単に見せたくないものを「隠す」だけでなく、意味のある「あらわす」方法を探りながら、普段とは少し異なる設計過程を楽しむことができました。