富士本の家

  • SND00
  • SND02
  • SND03
  • SND04
  • SND05
  • SND06
  • SND07
  • SND08
  • SND09
  • SND10
  • SND11
  • SND12
  • SND13

富士本の家

用途戸建住宅
所在地東京都国分寺市
工事種別リノベーション
業務範囲設計監理
床面積50.51㎡/15.27坪
施工福田建装

祖父母から孫へ引き継がれた小さな住宅のリノベーションです。これからの若い住まい手にとって、生活における機能性はもちろんのこと、趣味の音楽と読書が日々の暮らしに自然に浸透するよう、そしてそれらの温度感をいかに空間へ素朴に馴染ませることができるのかを、仕上げの素材選びや採光のコントラスト、家具のフレーミングに時間をかけて考えたプロジェクトです。

計画地は閑静な住宅地ですが、敷地の日照環境はあまりよいものとは言えませんでした。そのため、もともと存在していた小さな光庭の日照を頼りに、そこに面するメインの開口部をアルミサッシにすることで、最も長く過ごす広間への光を断熱と共に確保しました。一方で、その他の新しい開口部は大きさを調整し、室内のエリアごとに光のコントラストも意識的につくることで、音楽や読書と同じように、時間や季節ごとに場所の立体感が緩やかに移ろい行くようなイメージを計画しました。

内装については、こちらも表現に多様性を感じられるよう、コストにも配慮して壁天井をラワンで素朴に仕上げ、その質感に合わせるように杉フローリングを採用しました。どちらも主張しないよう、最もシンプルなオイルフィニッシュで仕上げています。

今後も増え続けるであろうレコード、CD、本については、それ自体が内装の印象を変化させ続けていくものなので、並べる場所を集約するよりは、あえて少し分散することで素朴な内装に彩りを与え、その蓄積や整理整頓の循環によって、家の表情の豊かさを楽しんでもらえるのではないかと考えています。

面積だけで考えれば十分な広さとは言えませんが、時間の経過と共に変化する室内の彩りと、それを映し出す光のコントラストを楽しみに、またしばらくしたら訪れたいと思う小さな家です。