SHARE HOUSE

シェアハウスとは

■シェアハウスとは

欧米ではごく一般的ですが、日本におけるシェアハウスという言葉はまだ新しく、定義もそこまでハッキリしたものではありません。広い意味ではゲストハウス(*1)やソーシャルアパートメント(*2)なども含まれるかもしれないし、既存の概念では学生寮や下宿にも近いかもしれません。しかし、いま現実に都市部を中心としてシェアハウスが増え、一般的な住まいの形式として定着しつつある要因として、ひとつに住まい方の多様化があります。

高度経済成長期には一般的であった「核家族での住まい」というモデルが崩れ、また近年の結婚観の変化(非婚化とも言われる)から、友人関係などで「血縁関係によらない共に住まうかたち」が増えてきました。一方で、晩婚・少子化に転じたことで、核家族を基盤として大量に供給されていた住宅ストックが地方はもとより都市部でも、建て替えるでもなく、かといって、そのまま貸せるわけでもないといった状態で扱いに困りはじめました。そこに目をつけた若者や事業者が、シェアハウス(*3)という住宅ストックの活用に動き出しました。

根っこは同じく家族形態の変化ですが、大きく分けてこれらふたつの要因が重なることで、シェアハウスやルームシェアといった、新しい住まい方が見られるようになってきました。

(*1)ゲストハウスとは…旅行者や労働者、若者向けの安価な簡易宿所(ユースホステルなど)
(*2)ソーシャルアパートメントとは…大型キッチンやリビング、シアタールームなどの豊かな共有スペースを備えた集合住居
(*3)シェアハウスとは…他人同士が”準”家族として寝食を共にし、住まうかたち-R.G designの定義

■近年のシェアハウスの分類

○空き家転用型シェアハウス
空き家などの中古住宅を、安価にリノベーションもしくはそのまま利用する、最も一般的な方法です。LDKなどの共用部のみを簡単にデザインして、広告性を高めるケースも増えてきています。単身者用のワンルームや1Kなどのアパートと同様、利便性に最も影響をうけるといえます。好立地では所有者個人や地場の不動産屋が運営管理することも。ファミリー向けマンション内のいち住戸を転用するケースも稀にあるようです。

○コンセプト型シェアハウス
異文化交流(国際交流)をはじめ、自転車・ボルダリング・アート・ヨガ・農業・シングルマザー等々、目的や属性別に差別化を図る方法です。同じように空き家の中古住宅を転用するケースが一般的ですが、コンセプトによっては既存の寮や団地などを転用するような、かなり広い共有スペースが必要になります。運営するにはそれなりの専門知識や集客力が必要であり、事業者が運営することが一般的です。

○大型シェアハウス
ソーシャルアパートメントに代表されるように、既存の学生寮や社宅、団地、ホテル、マンションなどを一棟丸ごと大規模リノベーションして、最新の設備や家電を備えた大型キッチンや、デザイン性の高いリビングダイニングなど、豊かな共用部が最大の特徴です。中にはシアタールームやスタディルーム、アトリエ、音楽スタジオ、ビリヤードルームなどを備えたり、カフェなどの飲食店を併設することもあります。基本的に各住戸に水まわりはないことが多いようです。シェア住居型ゲストハウスと呼ばれることも。