国立の家

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国立の家

用途住宅
所在地東京都国立市
工事種別リノベーション
業務範囲設計監理
床面積55.48㎡/16.78坪
施工渡部住建

国立の閑静な住宅街の一角、豊かな敷地内の母屋に寄り添う離れ家があります。いまは母屋に住まう両親が嘗て新婚時代を過ごし、一度役目を終えた築40年の小さな空き家。このプロジェクトは、彼らの子世代である若い夫婦のためにリノベーションし、住まいとして再出発させるというものです。
もともとはガレージであった一階に夫の書斎と水まわりをまとめ、食堂、台所、寝室などの主空間を二階に計画しました。ひとつひとつの空間に与えられる床面積はとても小さく、本来であれば間仕切壁を取り払って繋げたり、天井を屋根勾配に合わせ可能な限り高くするなどして、現代的なリノベーションを施し空間の開放性を求めたくなるものですが、若い夫婦は「嘗てと変わらないような静かで落ち着いた暮らし」を好んでいることから、40年前の住宅スケールを残しつつ欠点は改善し、そしていまの暮らし方にも合うよう、空間ごとに適材適所でリノベーションプランを構築していきました。例えば、もともと4帖半だった床坐の畳の間を椅子坐の食堂とする上で天井高を少しだけ上げたり、モノが増えた現代の暮らしに合わせるため豊富な収納家具を使われ方に応じて設え、あえて壁面を室内側にふかすことで本棚や窓台をつくり、一方で、天井の低さによる圧迫感や、光が届きにくい北側の寝室の閉塞感を緩和するため、大小の天窓を製作するなどして、狭いながらも場面によってなるべく適した落ち着きを感じられるように計画しました。壁天井仕上げは本漆喰塗、床は30ミリ厚の杉フローリング(1階はナラ)を調色塗装、台所や食堂の製作家具は主にナラ材を使用し、落ち着いた質感に整えました。
北側の緑豊かな中庭を挟んで隣り合う母屋へは、洗濯物干し場としても使われる大きなバルコニーを介して繋がり、同居でもなく別居でもない、適度な距離感を保っています。