用途 | ゲストハウス |
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所在地 | 京都市上京区 |
工事種別 | 新築 |
業務範囲 | 設計監理 |
床面積 | 613㎡/185坪 |
構造設計 | 株式会社NFC |
家具 | STANDARD TRADE |
施工 | 三輝・正南建設 |
京都市上京区、かつては機織りの音も響いていた西陣と言われる地域で、このゲストハウスの計画はスタートしました。日本で最も有名な旅行先とも言える京都ですが、インターネットとスマートフォンなどの発達によって旅の様子は完全に様変わりしました。行きたい場所や取りたい写真、食べたい物をすぐに調べ予定を立てることができるようになって、旅先でも日常のように不自由なく過ごすことができるようになりましたが、その反面で旅の醍醐味ともいえる予期せぬ出会いや出来事は減っているのかもしれません。
そこで、このゲストハウスはさほどアクセスが良いとは言えない立地を逆手に取り、初めて京都を訪れる観光客でなく、すでに何度か京都に訪れた経験がある人を主なターゲットに、有名な社寺や繁華街に行くのではなく、宿泊者同士はもちろん、スタッフや地域住民と出会う場面を多く生み出しながら、この地域に住んでいるかのように滞在してもらえるようにと建築計画を進めていきました。
実際の計画では、京都らしい間口が狭く奥行きの深い敷地のため、道路側にはフロントを兼ねたラウンジを配置しました。ここにはカフェとしての機能を持たせ、中庭も合わせて広い共用部を確保しています。一方で2,3階の宿泊室はバリエーションは多いものの広さは最小限として、ラウンジや3階に設けた共用キッチンなど、コミュニケーションが生まれる場で過ごしてもらえるように計画しました。また、ラウンジの壁にはこのゲストハウスを中心とした地図を描き、スタッフから季節ごとのおすすめスポットの紹介のみならず、利用する人たちのコミュニケーションツールとしても利用してもらえるようにしています。