用途 | 住宅 |
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所在地 | 埼玉県熊谷市 |
工事種別 | リノベーション |
業務範囲 | 設計監理 |
床面積 | 143㎡/43坪 |
施工 | 有限会社門倉工務店 |
「長年住んだこの家を終の住処にしたい」と言われたこの住宅は、きれいな用水のほとりにあり築80年ほど経っていました。全体では40坪以上あるこの住宅を改修するにあたり、水回りと台所、居間に限定して改修計画を進めました。それにはコスト的な理由もありますが、もう一方で住みながら改修するため、工事中は他の部屋で生活しながら、一番長い時間を過ごす空間に集中的に手間をかけることにしました。低かった天井を取り払い断熱した上で傾斜の板貼の天井とし、垂れ壁や襖も取り払う事で、暗かった台所や居間をひとつながりの開放的な空間に造り変えました。また、キッチンも対面式とし柱を中心とした曲線のテーブルとする事で、食卓から家事コーナーまで省スペースにまとめる事ができました。洗面/浴室も全て造り変え、屋根が低くユニットバスが入らない浴室は、壁にヒバを貼ったハーフユニットバスとしています。断熱や空調も全て新しくした事で、元々の伝統的な日本家屋から比べると非常に効率的になりました。一般的に子供の独立後のように世帯の人数が減った後、家にお金をかけるというのはあまりないかもしれません。しかし、全体にお金をかけず必要な箇所に集中的にエネルギーをかけて改修を行えば、生活がしやすくなるだけでなくその後も楽しく生活できる住宅として、上手く活用していけるのではないかと考えています。