用途 | 戸建住宅+ガレージ |
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所在地 | 茨城県かすみがうら市 |
工事種別 | 新築 |
業務範囲 | 設計監理 |
床面積 | 132.81㎡/40.17坪(ガレージ含む) |
施工 | 冨祥工務店 |
茨城県かすみがうら市は、都心に較べて豊かな土地を手に入れることができるため、土地条件を読み取り建物計画をしていくという消極的なプロセスよりも、「夫婦にとって理想の住まいを考え、その住まいを実現できる土地を探す」方がよいというテーマから始まったプロジェクトでした。夫婦と共にいくつかの住宅をみてまわった中では、「現代的で洗練されたボリュームやデザインよりも古来の日本らしい家」「夏は風通しで涼しく」「冬は室内に温かな日照を」「室内と続く緑豊かな庭」「自然素材」など多くのキーワードがでてきて、これらを整理整頓していくことで理想の住まいのかたちを模索し、予算の中で納得できる土地を見つけることができました。
建物はまず、冬の少ない日照を最大限に受けとるため東西に伸ばし、夏の厳しい日射しを遮るために深い軒が必要と思われました。次に、水平ラインを抑えつつも切妻の大屋根とすることで豊かな天井高を獲得し、一方で、落ち着きを感じられる低く深い軒とのバランスを調整し、全体のプロポーションを整えていきました。敷地に対しては、東西に伸びる平屋の建物に庭が並行して寄り添うことで、前面道路、駐車スペース(ガレージ含む)、外部からの視線を緩める木製塀、緑豊かな庭、そして建物というように、ゾーニングも明快になりました。
建物中心に配した広間は、室内と庭の連続性を大切にするため、レベル差をなるべく抑え、また網戸、ガラス戸、内障子、経木簾は戸袋等にすべて収納できるようになっています。壁天井仕上げは漆喰塗、床は30ミリ厚の杉フローリングを調色塗装、ダイニングキッチンなどの家具や建具は主にナラ材で室内空間を整え、予算を抑えながらも落ち着いた和の設えを実現することができました。庭づくりも好きな夫婦の住宅、これからの経年変化も楽しみにしています。